2014年05月16日

日本の夏の過ごし方。

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今年も暑い夏がやってきます。
どこに遊びに行きますか?って話じゃありません。
楽器をどう保管しますか?って話をしようと思います。殆どの人は夏に保管の仕方を変えたりはしていないと思います。
楽器にとって良い状態は25度程度で湿度が50〜60%くらいでしょうか、人が暮らして行くのに心地よいと感じる温度と湿度が理想的です。
楽器を保管している場所がこの条件を保てる場所であれば冬と夏が同じ状態で保管していても問題ないですが殆どの人はこの環境の場所に保管する事は無理でしょう。
夏は温度も湿度も高くなるので楽器にとって過酷な季節です。
出来るだけ良い環境の場所に保管する必要があります。なるべく風通しの良い場所に保管しましょう。
しかしアパートの一人暮らしの方など昼に風通しの良い場所を作る事が不可能な方も少なくないと思います。
そこで、提案する事はケースから出して保管しましょう。
ケースの中は沢山の保護材が入っている為にその保護材が沢山の水分を含んでしまい、かなり湿度の高い状態になってしまいます。
ケースから出した方が湿度が低い状態にする事ができます。
何年も弾かないギターを治しに来るお客様でケースにしまったままの方は部屋に出したままの楽器に比べて金属パーツの損傷が大幅に大きいです。出したままですと汚れはひどいですが磨く事でかなり綺麗な状態に戻せますが腐食してしまったパーツは元には戻せません。
また、ベースやアコースティックギターのようにテンションが強い楽器は夏の間の保管時にはチューニングを緩めた方がトラブルは少ないと思います。(チューニングしたままでも全くトラブルが起きない楽器もありますが。)
また、電気パーツも湿度が高いと酸化しやすくなるのでトラブルが起き易いです。レスポールモデルなどに付いているトグルスイッチはセンターポジションだと両方の接点に接触していますが、どちらかにセレクトされているとセレクトされていない側の接点が酸化しやすくなるので、弾かない時はセンターにセレクトをしいておくと多少ですが接点の酸化を抑える事が出来ると思います。
ジャズギターリストなどフロントピックアップの演奏が殆どの方でたまたまリアピックアップをセレクトしたらスイッチの酸化が原因でリアピックアップの音が出なくなってしまったという話を良く聞きます。
ペットを飼っていたり色々な理由からケースの外で保管出来ない環境の方も沢山いると思いますがチューニングを緩めるとか帰宅後ケースを開けるなど、冬と違ったケアをする事で長く楽器の状態を維持する事が出来ると思います。

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2014年05月14日

ピックアップの調整

Facebookでピックアップの調整について質問があったので、それを紹介するのと他に付け加えたい事もあるので紹介いたします。
まずはFacebookに書き込んだ部分を紹介します。

ピックアップの高さは最終フレット(一番ハイポジション側)の弦を押さえた状態でピックアップと弦のスキマが3mm以上あいていれば問題ないです。
それ以下だとピックアップに付いている磁石の磁力で弦が引っ張られて変振動をおこす可能性が高いです。
フレットのビリ付きと勘違いして、この症状で擦り合わせに持ってくるお客様も少なくないです。
ピックアップと弦のスキマが多すぎると当然音量が小さくなりアンプのボリュームを上げる事によってノイズも大きくなるので、離し過ぎも問題がありますが適度な範囲でしたら、好みの音質の場所にセットアップして問題ないです。
また、各弦の音量バランスを整える必要もあります。
気になった事はないですが、ローポジションの方がピックアップと弦の距離は長くなりますね。

ここ迄はFacebookで紹介した部分ですが、
もう一つ紹介したいのが、アジャスタブルポールピースの向きです。
グレッチのようにピックアップ本体の高さ調整が殆ど出来ないモデルはこのアジャスタブルポールピースを上げて音量を稼いだりします。
もちろんピックアップ本体の高さ調整が出来るモデルでも各弦のバランスを取るためにこれを回して微調整をします。
このネジになっているアジャスタブルポールピースですが、ギブソン製の商品は知る限りマイナスネジが横一列に揃っていますが、その他のブランドが作った物はネジの位置はバラバラになっています。
そこでビンテージのギブソンはどうだったのかと写真を見てみるとポールピースが揃っている写真はありませんでした。
で、実際に試してみました。
横一列に揃っている方が押し出しが強くエッジが立ってる感じがします。(あくまでも個人的な意見ですが)ネジの向きがバラバラの方が良く言えば音が丸い感じがしますが、押し出しが弱い感じがします。
そこでポールピースを回して弦に近づけると音量が上がるはずなのにバラバラにすると音量が下がっているように感じたのは驚いた結果でした。

ギターラブに居た時にマイナスの向きが変わると磁界が変わる影響で音質も変わると聞いていましたが楽しい実験ができました。
プレベとプレベにリアピックアップを付けた時の音(PJ)ってずいぶん違うなとも思った事があるので隣あっているピックアップの磁界が互いに影響しあっているようです。こ
ストラトのフロントしか使わない人は他のピックアップを外してしまったら、きっとフロントの音も変わるんでしょうね!
やはり、ほんの少しの事音は形成されているんですね。


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2014年05月13日

バダス2の謎

ベーシストにはお馴染みのバダス2ブリッジですが、一般にはfender社のJAZZBASSやPRECSION BASSのリプレイスメント(交換用)パーツとして発売されています。
ブリッジはサウンドを作る上でも重要なパーツで交換するとサウンドはかなり変わります。
個人的には立ち上がりが早く押し出しが強く音程感もかなり出るパーツだと思います。
当工房のオリジナルブランドTriple Crossの殆どのベースにもこのバダス2ブリッジを搭載しています。

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このバダス2の一番不思議な所はfender社のベースのリプレイスメント用に作られたとしたら、fender社のベースに空いたネジ穴の位置とバダス2の位置が微妙に違うのです。
穴の開け直しが必要な程は違いませんが取付け時に両サイドのネジは少し傾いた状態でないと取付けが出来ません。
この穴の位置は埋め直して改善しようとしても元の穴との誤差が少ない為に大きな穴を開けて埋め直さなければ改善出来ない程の少ない誤差です。(多分両側で3mm程度かと、、、)
多分ブリッジ交換した人は殆どが穴の埋め直しをせずにそのまま取り付けていると思います。
当工房も穴加工はせずにそのまま取付けています。
そこで何で穴の位置をfender社の穴の位置に合わせて作ってないんでしょうか?
知人に話すと「アメリカ人だからその位の誤差はあるんじゃない?」って言われましたが、こんなに長い間そのままで販売するでしょうか?
この穴の誤差は意図的に作っているのではと思うのですが、、、、、
では、何の為に、、、、
殆どのエレキギターは沢山のパーツがネジで止まって出来ています。
ネジはメーカーによって下穴がタイトに開けられている物と割とルーズに開けられている物とが存在します。
また使っていくうちに緩くなって行くものもあります。
ネジ以外にも接合部はあります。ネックポケットもその一つですが加工すると音が変わります。(今迄の経験上ネックポケットがタイトに出来ている楽器とある程度ルーズに出来ている楽器では音色が違うと感じています。)
この辺はタイトの方が良いとかある程度ルーズの方が良いとか賛否ありますが、音が変わるという認識を持っている人は多いのでは?
タイトは方がそこの部分のストレスが大きくルーズな方が少ないと思いますが、
箇所によってルーズの方が良い箇所とタイトな方が良い箇所があってバダス社はブリッジはある程度のストレスが必要だと考えているのではないのでしょうかね?
考え過ぎでしょうかね?
この辺もどちらが良いのか同じ条件で検証が出来ないので謎のままです。
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2014年05月12日

ハンダの謎

毎日作業をしていると沢山の謎に当たります。
今回はハンダについて話てみます。
当工房で配線修理をする時にKESTER 44を使用しています。
作業性が良い事と音も満足する結果が出る事の2つの理由からですが、
年代別にパッケージは違っていますが、成分はどの年代も同じです。
錫60%、鉛40%です。
自分が知っている限りではどの年代に作られた物も成分はこの割合です。
しかし使ってみると音が違って聞こえます。
修理で使う時は楽器の年代に合わせて使い分けていますが、古い物の方がエッジが丸い感じがします。
音を言葉で表現するのは難しいですが、新しいモデルの方がHIFIな感じがします。
今迄何人かと話をしましたが、同じように感じている人は多いようです。
しかし、成分が同じなのでこんな事ってあり得るのでしょうか?
またしても気のせいなのか?
全く同じ条件で比べる事は不可能なので本当に音が違うのかは謎ですが、仮に違うとして何が違うのか?
ある人は成分は同じでもヤニの成分が違うのではないか?とか
錫や鉛の産地が変わってその影響で音が違うのではないか?
経年変化による品質の差が音質の差になっているのではないか?
それから作業した時の温度が音質の差になっているのではないか?
などなど、色々な説を聞いた事はありますが、今だに謎です。
多分永遠の謎なのかもしれません。
ただ、これだけ沢山の説があるので音質が違うと感じている人はそれなりに沢山居るのでしょう!

最近もそんな話をしていた所、スタッフは「ハンダした日の楽器の音と何日か経った時と音が変わってる気がするんですけど!」
えっ!全く気づかなかった!
何日も経ってしまったから気のせいじゃないか?と言ったんだがこれこそ確かめようがない!
電気系は謎が多いです。

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2014年05月11日

CRLレバースイッチ 3WAYの謎! 続編

前回のクイズ形式やっぱり反応薄でした。
facebookでほぼ正解がでたので、紹介します。
「3点ハーフトーンを輪ゴムで実現してました!判りません。回路が違うのかな?コンデンサーの接続が変わるとか?」
最後の部分がほぼ正解です。
説明しますと、レバースイッチは2回路3接点です。
くだいて言いますと3つの端子がコム(それぞれの端子のセレクトされた所と接続される端子)と繋がる仕組みになっています。
2回路なのでこの仕掛けが二つ付いているスイッチがこのレバースイッチです。
ミュージックマンなどに使われている4回路5接点ってレバースイッチがありますが、ここで紹介しているレバースイッチはあくまで2回路3接点の3WAYスイッチに限った話です。
ストラトキャスターの配線は2回路のコム同士が配線されていて、片側の回路のそれぞれの端子にフロント、センター、リアのピックアップが配線されています。
これでセレクトレバーを倒すとピックアップのセレクトが切り替わる仕組みになっています。
コム同士が配線されている事でもう一つの回路にもピックアップで発生した電気信号が送られますので、
そこからトーンポットに信号が送られトーンが効く仕組みになっています。
ヴィンテージタイプのストラトキャスターにはリアの端子には何も配線されていない為リアピックアップにはトーンは効いていません。
リアピックアップの端子をセンターピックアップの端子に接続するとリアピックアップをセレクトした時もセンターピックアップのトーンポットノブを回すとリアピックアップにもトーンをかける事もできます。
今迄お会いしたミュージシャンの方でセンターピックアップの端子には何も接続しないでその代わりにリアピックアップのポジションに接続してる方も何人かいらっしゃいました。
センターピックアップでトーンコントロールは使わないのでその代わりにリアピックアップで使っているとの事です。

ここからが本題ですが、この2回路のスイッチの端子が全く同じタイミングで切り替われば問題はないのですが、特に古いCRL製の物は切り替わるタイミングに誤差があって例えばフロントとセンターのハーフトーン時にピックアップはフロントとセンターの端子の両方と繋がっている状態の時にトーンはフロントトーンの端子とだけ繋がってる状態があるのです。
そして少しセンター側に寄った時にセンターのトーン端子に触れる事でフロントとセンターの二つのポットと干渉します。
フロントとセンターのトーンコントロールの位置が違っていると音質の差が出るのです。
例えばフロントのトーンが0でセンターのトーンが10の時に片側しか干渉しない状態と両方に干渉している状態では音質はまるで違います。
最近のCRLスイッチはかなり精度が上がっていてなかなかこんな事は起きませんがちょっと端子をいじってわざとこのような状態を作る事も出来ますから試してみたら面白いと思います。
スプリングも少し伸ばしてあげるとハーフトーンで止まるようになりますが、伸ばしすぎると使いにくいのでこの辺はちょっと難しい作業です。

仕掛けが解るとスイッチ単体で回路を見ながらレバーをガチャガチャいじってるだけでも楽しいですよ。まぁ最初のうちはですけど!
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文章で説明するの難しいです。解りにくくてごめんなさい。
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2014年05月10日

CRLレバースイッチ 3WAYの謎!

3WAY式のレバースイッチでセレクトのレバーの位置を中間にするとハーフトーンがする。
この辺はジミーヘンドリックスが演奏中にたまたまスイッチが真ん中で止まった時のサウンドが気に入りよく使ったポジションだとか、そうでないとか、、、、、
まだ、ギターラブで働いていた時に元CAROLの内海さんと話した事があってその3WAYのCRLのレバースイッチの話になった。
今使っているストラトが5WAYなので3WAYのスイッチに交換したいとの事だった。
「ハーフトーンは使わないんですか?」と聞くと「使うけど3WAYと5WAYのスイッチでは音が違う。」との事。
「え????ホントですか?」
話を良く聞いてみると例えばフロントとセンターのハーフトーンの時に5WAYだと1種類のサウンドしか出ないけど3WAYだと少しフロントに寄ってる時とセンターに寄ってる時で音が違うらしい!
そんな事あるの?当時ギターラブの伊藤さんと接点の面積で音が変わるんだろうか?
めちゃめちゃ謎でした。
試してみたが音が変わったって印象は全くないし、気のせいじゃないですかね〜なんて思っていたら。
伊藤さんが「野平君、分かったよ!」
説明されてお〜納得!
確かに音変わりますね、実際にギターに取り付けて音で確認しました。
確かに音違います。

それは、、、、、、

これだと思う理由が分かった方はコメントに投稿してください。
ブログが読まれているのが不安なので、
今回は思考を変えてクイズ形式にしてみました。
ちなみに発見したギターラブ伊藤さんにはブログに書く事を承諾してもらいましたのであしからず。

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次回に続きます。
posted by kaz at 15:26| Comment(316) | TrackBack(0) | パーツ

2014年05月09日

楽器の拭き上げに何を使ってますか?

ギターを日頃メンテナンスや弦を交換した後、弾いた後などに拭いていると思いますが、何で拭いてますか?
良くある楽器屋さんで売られているブランド名が入った一枚¥500前後で売られているもの?
私も以前はそれを使っていました。
ただ仕事で使うと布が固過ぎて黒いボディでラッカーフィニッシュのモデルは拭き傷が付いてしまいます。
もう少し金額の高い布も同様に傷が付いてしまいました。
そこで、楽器用ではなく車用のクロスで良い物があるんでは無いか?と思い色々試してみました。

楽器用と車用のクロスの違いですが、基本的に車用の方が色々な種類のタイプがあります。
楽器用のクロスは拭き取る印象ですが車用のクロスは絡め取る印象がありました。
値段帯も10枚で数百円の物から1枚3.000円以上するものまであり、色々ラッカーフィニッシュの楽器で試してみました。
結論は車用の絡める感じで拭き取るタイプの物の方がボディに傷が付きにくく綺麗に拭き上げられます。
黒い新品のボディで試しても傷は殆ど気になりません。
1枚3.000円以上する物も同じ結論です。
ただ、一点だけこのタイプのクロスには欠点があります。
小さなゴミ、ホコリも絡めてしまう為に小さな金属片、メッキ片も絡めてクロスの中に絡め取ってしまいます。
その為それが原因で傷を付けてしまう事です。
そして当工房が出した結論が、、、

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こちらのクロスです。

こちらも絡めとる感じのクロスですが、
3枚で600円前後ですので、問題が出る前に新しいクロスに交換して使っています。
このタイプは洗っても絡めたゴミを除去する事はほぼ不可能ですので、使い捨てで使った方が良いです。
その為に同じ効果があった商品の中で一番コストが安い物を使っています。

クロスも色々な物を試すと面白いですよ!
是非、自分に合ったクロスを探してみると新しい発見があったりするかも!
posted by kaz at 14:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 商品紹介

2014年05月07日

フレット交換

フレットの交換はフレットが減り過ぎてこれ以上フレットの擦り合わせが出来ない時やフレットの高さ以上にネックの反りが大きくなってしまい、しかもロッドの調整で反りが治らない時、部分的に反りが大きくある時などが一般的にフレット交換の時期ですが、
プレアビティー上交換が必要な場合もあります。高いフレットの方が弾き易く感じてる人などはフレットの擦り合わせでも全く問題の無いネックにする事が可能でも高い方が弾き易く感じる人はフレットがある程度の高さまで低くなって交換する方もいます。
それとは逆に低いフレットが好みの方はフレット交換の時に低いタイプのフレットに交換する人もいます。

作業はまずフレットを抜き指板を真っすぐな状態に修正します。
指板をナットの位置からブリッジ側の端まで真っすぐにする事が理想ですので、ナットは外して作業を行います。フレット摺り合わせと同じように弦を張った状態で指板が真っすぐになる事が理想です。
弦を張った状態で指板が真っすぐになっていれば、その後する擦り合わせ作業で新しいフレットを最小限削るだけで仕上げる事が出来るからです。
その為に作業を行う前に弦を張った状態で指板がどういう状態なのか把握する事がとても大事になってきます。
また、指板を真っすぐにするのと同時に指板のRも整える事がフレットを綺麗に打つのに大事な要素になります。

フレットは何種類かのタイプがあるので、弾き易さとサウンドの両方の事を考えて選ぶ事をお勧めいたします。
また、フレットが入っている溝がメーカーによって広かったり、狭かったりするので溝に合ったフレットを打つ事も必要です。(多少の誤差はフレットを加工して打ちます。)
フレットを打ったら、フレットサイドの加工をしてナットを取付けて弦を張り、そしてフレットの擦り合わせをして完成ですが、
当工房ではフレットを打った後や幾つかの作業の後に一定の期間作業をストップする事にしています。
新しいフレットを打った後にネックが反ったりする事が多いので幾つかの行程で時間をおく必要があると考えています。
また、余談ですがフレットを打った人で音が違うと感じています。
この辺は人それぞれですが、スタッフや同業者と話をすると同じような事を感じているが何人かいました。
理由はフレットを打つ時の力加減なのか、道具の違いなのか、
もしかしたら気のせいなのか、、、、、、

フレットの交換は沢山の作業工程があるので奥の深い作業です。
指板に塗装が乗っているモデルもありますので、今だに色々試行錯誤を繰り返しながら模索しています。
フレット交換だけの話でも朝になってしまう程の要素があるので、今回はこの辺にしておきます。

野平工房  フレット交換 ¥40.000〜(税抜き)
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2014年05月06日

ペグの話

ペグとはヘッドに付いている(一部ボディに付いているモデルもありますが)弦を巻きチューニングするパーツです。

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ペグには色々なタイプがあります。
弦をロックするタイプや弦をポスト(弦を巻く部分)の上部から差し込んで巻き上げるタイプ、横穴から弦を差し込んで巻き上げるタイプなどなど。
ロックタイプは基本的には弦をヘッド側に引っ張った状態でロックし、ロックしてからチューニングします。巻き数が少ない分ペグのポスト部で弦の遊びが少ない為にチューニングが安定する仕掛けになっています。ロックの仕方はいくつかあり、それぞれ長所と短所があります。

上部から差し込むタイプは弦を上から差し込んでチューニングします。横穴タイプは横から弦を差し込んでチューニングしますが、巻き方は弦が緩まないように様々な巻き方があります。
この辺はメーカーによっても巻き方がまちまちですので、量販店さんに行った時に見比べてみると面白いかもしれません。
ポストの形状にもよりますが基本的には3巻程度が良いとされています。弦は上から下に向かって巻き上げていきます、ここを綺麗に巻き上げていかないとチューニングの不安定の原因にもなります。また、弦がよじれないように注意して巻き上げないと変振動の原因にもなります。
巻き数は3巻程度が良いと書きましたがフェンダータイプのような片連のヘッドのタイプは各弦でナットにかかる角度に差がありますが、1,2弦にだけにしかストリングガイドが付いていないモデルは3弦の角度が浅くなってしまいます。
そういうモデルは3弦や4弦の巻数を増やして角度を稼ぐ事をしたりすると音の張りが出たりします。

弦を張った後必ず弦を引っ張って弦のゆるみを取りましょう。(ポストやブリッジに起きている弦のゆるみを取り除きます。)この作業をしないとチューニングの不安定につながります。


ペグで音が変わると言うと驚く方の居るかと思いますが、ペグを他のタイプに変える事でサウンドが変わってしまい元に戻すお客様も時々見受けられます。
あるミュージシャンと話した時にヴィンテージのペグをストックしていて、楽器を購入した時にペグをヴィンテージに交換すると本人から聞いた事があります。
「同じタイプの現行のモデルとヴィンテージでは重さが違うんですか?」と聞いた所ヴィンテージの方が若干軽いと言っていました。
すべて軽い方が良い訳ではありませんが、ペグの重さや材質でサウンドに差が出るのはとても面白いです。
ヘッドの振動がその楽器に大きな影響を与えてると考えていたので、とても納得の行く話でした。

野平工房 ペグ交換¥3.000〜(税別)
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2014年05月05日

ナットのトラブル

ナットは指板のヘッド側に端に付いている写真のパーツです。

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ナットには大きく3つのトラブルがあります。
弦の間隔が均等でない事、溝の深さが適正でない事、溝の幅が弦に合ってない事。
このどれかに不具合がある場合に調整や交換が必要になります。
ナットは消耗品ですので、楽器を使用していれば必ず交換の時期がきます。
ナットの状態が正常かどうかチェックをする時には必ずネックの状態が正常な状態にして確認します。
ネックが正常ではないとナット溝の深さが正常かどうか正確に確かめる事は出来ません。つまりネックの状態によって位置関係が変わってきます。その為にフレット摺り合わせをした時にもナットの調整も同時に必要な作業となります。
通常リペア工房ではフレット摺り合わせをした後にはナットの調整も同時に行います。

最初の弦の間隔の不具合ですが、こちらは交換しないと解決しません。
ただ、プレーに支障が無い程度でしたらそのまま使っていても大きな問題はないので、消耗した時に交換しても問題はないです。
弦の間隔も弦の頂点を均一にすると1弦より6弦の方が弦が太い為に1,2弦の隙間と5,6弦の隙間では5,6弦の方が狭い為に5,6弦の方が狭く見えてしまうし、その隙間を均一にすると5,6弦が頂点で比べた時に離れて見えてしまうので、そのどちらの比べ方の中間位で作業をしています。
この辺は各工房や作業者でバラツキはあると思います。

溝の深さは溝が深すぎると解放弦でビリ付きやひどい時には1フレットを押さえた時と同じ音程の音が出ます。
溝の深さが浅いと1フレットやその付近(ローポジション)の弦高が高く感じ押さえにくく、音程もシャープします。
深い時にはナットを交換しないと改善しません。
浅い時にはナット溝の調整で改善する事ができます。
また、当工房では弦高がローアクション(弦高が極端に低いセッティング)の時と通常の弦高の楽器ではナットの溝の深さ(高さ)を変えています。ローアクションの楽器はギリギリまでナットの深さも低くセッティングしています。

ナットの溝の幅が合っていない場合は
溝が弦より広いと溝の中で弦が動いてしまい解放弦でビリついた音がします。
こちらは溝の深さに調整する余裕が残っていれば調整で治りますが、そうでない場合は交換が必要です。
逆に溝が弦より狭い場合はチューニングが安定しません。
チョーキングすると直ぐにチューニングが狂ってしまう場合はナットの溝が狭い事が多いです。
お客さんでペグ交換が必要だと楽器を持って来てナット交換で解決する事が多く発生しています。こちらは少しきつい位でしたら調整で済む事もあります。
使用弦のゲージを変えてチューニングの安定感が変わった時はナットの調整をした方が良いと思います。

今回はロックナットやローラーナットに付いては触れていませんが、またの機会に取り上げてみようかと思います。

野平工房のナット交換工賃は税抜き¥6.000〜ナット溝調整は¥3.000です。(タイプによって金額が異なりますので、ご相談ください。)
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2014年05月04日

フレット摺り合わせとは 続編

前回のチョーキングの話ですが、もう一つの要素とは指板のRがモデルによって異なる事が要因です。
チョーキングする時例えば1弦をチョーキングすると弦は3弦の方向に持ち上げるのでフェンダーのビンテージタイプのようにRがきついモデルはRが緩いモデルより落差が大きい為(高低差)Rの頂点に近づけば近づく程弦がフレットに触れ易くなる為にチョーキング時の音詰まりが起こり易くなります。チョーキング時の音詰まりはRが緩いモデルの方が断然起こりにくいです。
その為に指板のRがきついモデルは弦高をある程度以上下げてしまうと音詰まりが起きてしまいます。(ネックの状態がどんなに真っすぐでもこの現象は起こります。)
もちろんRが緩いモデルでも限界を超えた時点で同じ事が起こりますが、Rがきつい楽器より限界値に余裕があります。

もう一つはどの状態でネックが真っすぐなのが理想か?
もちろん、弦を張って演奏する状態でネックが真っすぐなのが理想です。しかし弦を張ったまま作業をするのは不可能なので弦が張ってない状態で作業します。
弦を外した状態で作業するので、当然ネックの状態は弦を張った状態と異なるのでその状態で作業しても弦を張った時に真っすぐにはなりません。
そこでトラスロッドで真っすぐな状態に戻す訳ですがトラスロッドはネック全体に均一に効く訳ではなくネックの位置によって反り方が違うので、擦り合わせ作業でどんなに精度の高い作業をしてもトラスロッドをいじってしまうとその精度はとたんに落ちてしまいます。
擦り合わせ作業が終わって弦を張ったらトラスロッドをいじらなくても真っすぐな状態になっているのが理想です。
その為にどのように作業したらこの状態に出来るのか、そこが擦り合わせ作業をするのに重要な所だと思います。
各工房で作業方法や精度が違うのはこの辺の考え方や方法論などなど、沢山の作業工程の違いからだと思います。

次回はナットの事を書こうかなと思っています。

野平工房 フレット摺り合わせ料金は税抜き¥13.000 ローアクションは+¥5.000
posted by kaz at 01:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 修理

2014年05月03日

フレット摺り合わせとは

昨日は久々に日本武道館に行ってきました。
カルチャースクールの生徒さんからJohn Mayer Liveのお誘いがあったからです。
10年以上武道館に行ってなかったので、「こんなに、狭かったんだ〜それにこんなに古かったっけ?」なんて思う所は沢山ありました。
Liveの内容も思った以上でとても楽しんできました。
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Liveから帰る車内でこのブログの話もしたのですが、生徒さんから「そもそもフレット摺り合わせがどういう事をするのか、何で必要なのか知らない人も沢山居ると思いますよ」って言われてビックリはしたものの考えてみたら自分もどうやってフレット摺り合わせを知ったんだろうなんて考えたが思い出せなかった。
でも、確かに20代前半の頃はギターって修理する物って感覚はなかったと思う。

そしてフレット擦り合わせだけど、ネックが真っすぐな状態を保つ事が演奏上一番良い状態だって事はなんとなく分かってると思いますが、
実際は製作の時の精度とか木材で出来ている為の狂いが生じて真っすぐでなくなったり、波打ったりと色々状態が変わって行きます。
それを直すのがフレットの擦り合わせだけど、ネック全体を真っすぐにするのではなく、フレットの頂点を真っすぐにすれば、弦を押さえた時のビリつきや音詰まりなどが解決できます。チョーキングの時の音詰まりはもう一つ別の要素も加わるので、セッティングによってはフレット摺り合わせだけでは解決出来ない場合がありますが、、、、、
フレットを削って作業をするので、当然ナットの溝を調整する必要があります。
その後弦高の調整等々楽器全体の調整をする事がフレットの擦り合わせ作業です。

作業の詳しい内容は工房毎にかなり違ったやり方をしているようです。
この辺は企業秘密的な話が多いのですが楽器の弾き易さはこの擦り合わせの精度でかなり変わりますので、また取り上げてみたいと思います。

フレット摺り合わせをしたギターは音の詰まりやビビリがなくなり、フレットと弦の間隔も安定するので、スムーズなプレーがし易くなります。
但し、楽器個体の特性で弦の変振動がおきやすい楽器はネック以外の問題でビリつきが起きる事がありますので、フレット摺り合わせで改善するのはフレットの不揃いが原因の時だけです。

説明が下手で理解されたのが疑問ですが、、、、、


野平工房 フレット摺り合わせ料金は税抜き¥13.000 ローアクションは+¥5.000
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2014年05月02日

Stomp Box

最近入荷した商品でイギリスのLogarhythm社のmk3です。
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まだ、あまり馴染みのない楽器で一般的にはStomp Boxと言われています。
足で踏むとその振動が電気信号に変換されバスドラムのような音に変わります。
アンプなどの設定で音質は変えられますが、今迄見たプレーヤーは生ギターのアクセントとして使用しているプレーヤーが多いと思います。
他の会社の商品にはトーンが付いている物などもあり音質をコントロール出来るようです。
また、本体の下に別パーツを使用してつま先と踵で音色をコントロールしたり、まだまだ可能性がある楽器です。
使ってみると意外と難しいです。演奏する時にはく靴で音色もプレーのし易さもかなり違います。
電気信号に変換されるので、エフェクターをかけても試してみましたが踏み加減で反応のバランスが取るのが難しいので、今度コンプレッサーを使ったり色々試してみようと試みてます。

こちらはStomp Boxの使用例としてjohn butler のプレーをUPします。
使用している機材は不明ですので、この商品とは別の物の可能性もあります。




Logarhythm社のMK3は¥12.960で販売しています。

YouTubeでスピーカーやベース用ピックアップを使って自作している人の動画も上がってますので、自作してみるのも楽しいです。
箱の大きさや木材でもかなり音が変わるのでかなり楽しめますよ!
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2014年05月01日

AKGのヘッドホン

野平工房の業務日誌を開設しました。
http://nohirakobo.sblo.jp/

そしてこちらのブログはもう少し広い範囲の内容でUPする事にします。
今回取り上げるのはAKGのヘッドホンです。こちらはQUINCY JONESのモデルで白、黒、緑の三種類あります。
購入したのは緑のヘッドホンです。
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3色ともケーブルは緑のようなので、ヘッドホンも合わせて緑にしました。

そしてそしてAKGのヘッドホンは去年位から生産国が中国に移動したそうで、現在市場にはオーストリア製と中国製が存在します。
値段設定は変えていないようですが、お店によっては生産国を明記した上で販売価格に差をつけて販売しているお店もあります。
生産国を明記していないお店のレビューを見てみると「中国製でがっかりしました」とか、「中国製だと思って購入したらオーストリア製でとても満足しています。」とか「中国製もオーストリア製も同じAKG社の商品なので差はない!それなのに高い金額でオーストリア製を買う人がおかしい」とか色々書かれてました。
今回はオーストリア製って明記してあるお店から購入しました。
音の差があるかは確認していませんが、やはり中国製の信用度は個人的にはまだ高くないからです。
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商品はとても透明感のある音で楽器の練習をする時にとても重宝してます。
オープンタイプなので、長い時間使っていても耳が疲れないのが気に入ってます。
中国製品の中にも良いものもあるのは解っているつもりですが、皆さんはどう考えますか?
個人的にはオーストリアの会社はオーストリアで日本の会社は日本で作って欲しいと考えます。

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