2010年09月05日

ベースを始めた中学生の秋 その3

石ちゃんとイナ君、そして自分の3人が楽器を持って学校に行くことになった訳だが、その話しをする前に我々の通っていた中学校について書いてみたい。

昭和50年代の公立中学校というのは、高度成長期のベビーブーム世代が学校に上がっていた時代で、全国的に中学校の数が足りず1クラス50人学年10クラス以上は珍しくないそんな状況だった。また落ちこぼれだとか暴走族や校内暴力だとかが社会問題になっていた時期でもある。金八先生の腐ったミカンなんかはちょうど自分が中3の時だった。
今思えばマスコミが無責任に面白おかしくとりあげてたものだから、我々ガキ供も調子にのって一緒に騒いでいたんだと思う。

多分に洩れず我々3人が通っていた中学校も同じような状況だった。新興住宅地で巨大団地を抱えていたため3学年合わせて2千人の生徒数。我々の学年も15クラスあった。それだけ生徒がいれば個性的な奴も多く警察のご厄介になる連中もけっこういた。
先生たちも若くて個性的だった。プラスチックのオモチャのバットを持って言うこと聞かない生徒にはケツバットをしたり職員室で放課後1時間正座とか当たり前。学生運動上がりの先生も多くメーデーの日には半分くらいの先生が休んだり、日教組の大会でテレビに映るようなツワモノもいた。今のご時世では考えられないが、先生も生徒もある意味やりたい放題で、そんな学校生活をみんなそれぞれ楽しんでいたんだと思う(苦笑

さて本題。
学校までハードケースを担いで持っていったんだと思うんだが、何故かここの記憶が完全に欠落している。約1キロの通学路をえっちらおっちら歩いて持っていき教室まで運んだと思うのだけれども思い出せない(汗
覚えているのは昼休みと放課後に3人揃って楽器を弾いていたこと。それぞれの担任の先生が見に来たり、同級生の前で自慢げに弾いて見せたりしていたんだと思う。特に自分のエレキベースは相当に珍しかったようでクラスの女の子に貸してあげた記憶がある。ここの記憶だけは相当に鮮明なので多分自分が好きだった子だったんじゃないかな(笑
あとよく覚えているのが、石ちゃんが生音のエレキじゃ物足りなくなってイナ君のフォークギターを借りイーグルスのホテルカリフォルニアを弾いて先生達を驚かせたこと。そしてイナ君がツイストの「燃えろいい女」をビシッと決めて女の子達からキャーキャー言われていたこと。もてる男は何をやっても絵になるというなんとも羨ましいパターン。自分と石ちゃんも一緒に演奏したんだけどフォークギターの音量とイナ君の人気には全くかなわなかった(苦笑

そんなことをしながら楽しい時間は過ぎ、その日はそのまま帰ることになった。文化祭で演奏できるかどうかは職員会議で決めると言われたんだと思う。そういう先生達の反応も悪くなく、我々3人は文化祭のヒーローになった気分で盛り上がっていたんだと思う。ベースのことは親に内緒のはずだったのに全くいい気なものである。

そして次の日学校へ行くと、担任の先生から文化祭での演奏は認めないとの話しをうける。エレキだけでなくフォークギターを弾くのも駄目とのこと。学年主任の一存で決定となった。
自分もイナ君もがっかりで力が抜けきっていたんだけれど、石ちゃんだけは納まりがつかず学年主任をぶっ飛ばすと言っていた。結局3人揃って職員室に呼ばれ、今回は残念だけど我慢して卒業して高校に上がってからおもいっきりバンドをやればよいと諭されたと思う。

がっかりしながら家に帰ると、もうすでに学校から連絡があり親父とお袋から猛烈な勢いで説教させられることになった。親に内緒で友達から楽器を買い、一言も相談もせずに文化祭で演奏するとは何事だと。まぁ当たり前の話しである。そして問題のベースだが金はいいから返してこいということになった。これに関してはベースを売ってくれた奴の母親には絶対内緒という条件だったので相当に抵抗したんだと思う。そいつの家が複雑な家庭環境だったということは自分の両親もなんとなく知っていたようで事なきを得た。ただし、その交換条件として高校受験が終わるまでベースを弾くのは禁止、ついでにギターも禁止ということになった。高校受かったら好きなだけ弾いていいからということで、グレコのリッケンバッカーベースとレスポールは鍵を掛けられ親父の預かりとなった。

次の日学校に行くとイナ君も自分と似たような状況だった。ギターこそ取り上げられなかったけれど受験が終わるまで大人しくしていろと両親に言われたようだ。
石ちゃんといえば、全く納まりがつかず学年主任をぶっ飛ばすだとか、勝手に文化祭で演奏してしまえばいいんだとか過激な発言を繰り返していた。何故石ちゃんがそこまでこだわっていたのかは理由があった。

その辺りの話はまた次回。自分が一番書きたい内容でもあるので(^^;
posted by kaz at 01:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/40540624
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック